本記事は2026年8月29日時点の公開情報をもとに一般的な考え方を整理したものです。市場制度、金融条件、系統条件、製品仕様は変更されるため、実案件では金融機関・一般送配電事業者・メーカー・専門家等の最新条件をご確認ください。
まず「ネガワット」と「ポジワット」
ネガワット
基準となる需要に対して、消費電力を減らした分を調整力として扱う考え方です。
ポジワット
発電や放電によって系統へ電気を供給する側の調整力です。
ネガポジ型とは
蓄電池は「充電を増減する」という需要側の動きと、「放電を増減する」という供給側の動きの両方が可能です。この両方向性を一つのリソースとして活用するのがネガポジ型の考え方です。需給調整市場では、蓄電池・揚水など双方向に動けるリソースの取扱いが整理されています。
蓄電池で何が変わるのか
ポジ型だけで考えると、基準点から「どれだけ放電を増やせるか」が中心です。ネガポジ運用では、充電側の調整余力と放電側の調整余力を活用できるため、SOCを適切に管理できれば、設備の柔軟性をより広く市場へ提供できる可能性があります。
重要なのはSOC管理
ネガポジ運用は、充電も放電も無制限にできるという意味ではありません。SOCが上限に近ければ追加充電できず、下限に近ければ放電できません。どの市場へどの能力を出すか、指令に応じられるSOCをどのように維持するかが運用設計の核心になります。
「ネガポジ=必ず収益が増える」とは限らない
富士電機は2026年の電気学会全国大会で、系統用蓄電池をネガポジ型として活用した収益性検討を発表しています。ただし、実際の収益は市場価格、約定、SOC制約、充電費用、劣化、アグリゲーター手数料などで変わります。ネガポジという言葉だけで投資判断するのではなく、運用シミュレーションを確認する必要があります。
参考情報
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